モジュライ空間上の普遍族の局所的描写を計算機上で実行可能なアルゴリズムとして実装でき,様々な具体例の計算・比較が容易となった.これは,今後のモジュライ空間の研究に大いに役立つと期待される. 群の高次構造の構成要素である部分群積やコセット積の分岐現象は,これら高次対象の導入で初めて意味を持つもので,単に部分群やコセットなどの古典的対象(これらは,いわば「一次」の対象)からは導出されえない. したがって分岐複体は,古典的対象を超えたところにある,群の深い性質を反映していると言え,今後,分野横断的な研究対象となることが期待される.
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