当研究によって、有限体上の代数多様体と算術的多様体から定義される異なるタイプの代数幾何符号達をadelic符号の観点から統一的に理解するための枠組みを与えることができた。この結果は代数幾何符号の対象を大幅に拡大していくことを可能にするという点で重要な意義をもつものと考えられる。また、当研究ではasymptotic minimal slopeという正標数のベクトル束に固有の不変量を用いて符号のパラメーターを評価する新しい手法を開発できた。今後この手法を更に発展させることによって従来より高い性能をもつ誤り訂正符号が構成できれば情報通信の分野への応用が期待される。
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