研究成果の概要 |
1より大の互いに素な自然数A,B,Cに対して、純指数型方程式A^x+B^y=C^zの自然数解(x,y,z)の個数の一般的な評価について研究を行い、いくつかの成果を得た。初年度には、{A,B}={3,5},C=2の場合を除いて、方程式は一般に高々二つの解しか持たないことを証明した。これは一般的な最良評価である。残りの年度で、解をちょうど二つ持つ場合を決定する問題を、特にCの値を固定するときに、考察した。この方向では、以前までに知られていたのはR. Scott氏によるC=2の場合に決定する結果(1993年)だけであったが、Cが2を含む様な無限個の値を取る場合について、予想を証明する事が出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現れる素因数の種類が始めから有限個に限定されている整数たちの間に成り立つ線形関係式は、整数論においてよく現れ、単数方程式と称される。本研究では、最も単純な単数方程式のいくつかを考察し、その解の個数の最良評価の研究に従事した。得られた研究成果は、「単数方程式は一般に解を持たない」という非常に重要な命題を支持するのものである。特に、1より大のどの二つも互いに素な自然数a,b,cに対し、方程式a^x+b^y=c^zの自然数解は、(a,b,c)=(3,5,2), (5,3,2)の場合を除いて、高々二つであることを証明して、この方程式の解の個数の最良評価を確立した。
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