研究課題
基盤研究(C)
(1) 崩壊しないアレクサンドロフ空間のモジュライのリプシッツ・ホモトピー安定性の定量版を証明した(藤岡氏・山口氏と共同研究). (2) 崩壊する3次元アレクサンドロフ空間の位相構造を決定する論文を完成させた(山口氏との共同研究). (3) Guillemin 計量と呼ばれる Delzant 構成に付随する計量に関して Delzant 構成の収束理論を展開した(藤田氏・北別府氏と共同研究). (4) 距離空間上で無限大ラプラシアンの主固有値問題の粘性解の定義を与え解の存在を証明した(柳氏との共同研究). (5) Gromov のピラミッドの基礎研究を行った(江崎氏と数川氏との共同研究).
アレクサンドロフ空間の収束・グロモフのピラミッド
報告者が主に扱った研究対象は曲率の制限を持つ空間(アレクサンドロフ空間)およびある種の無限次元空間(グロモフの意味のピラミッド)である. また距離空間上の解析学について基礎研究も行った. また曲率の制限を持たない状況で多様体の自然な構成に関する連続性を論じた. これらはつまり, 様々な立場で距離空間や測度距離空間の収束理論を展開していると言える. 特に無限次元の空間の幾何の研究は世界的にまだ始まったばかりであり, 今後の発展が大いに期待できる.