研究成果の概要 |
波動現象を観測することにより我われをとりまく空間や物理系の特性を知ることは我われの認識の根本であり理論的な基礎を与えることは極めて重要である.本研究においては連続的な空間とともに離散的な空間(物理系)をも視野においてこれらの空間(多様体)上の波動に関するスペクトル量の数学的特徴を解明し、これらのスペクトル量から元の空間、物理系を決定する逆問題の研究を行った。一般的な非コンパクトリーマン多様体上での逆問題, 半空間における弾性波動方程式の定常問題、さらに有限離散グラフ上でのラプラシアンに関する逆問題の解決、局所的に摂動された周期的格子上の波動に関する逆問題の解決等の如実な成果を得ることができた。
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