研究課題/領域番号 |
20K03670
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
堀内 利郎 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 名誉教授 (80157057)
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研究分担者 |
下村 勝孝 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (00201559)
中井 英一 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (60259900)
安藤 広 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (60292471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 一般の重み付きHardy不等式 / 一般の重み付きHardy・Sobolev不等式 / 一般の重み付きCKN型不等式 / 無限次の退化や爆発する作用素 / ノンダブリング・ウェイト / 一般の重み付きレリッヒ型不等式 |
研究実績の概要 |
「重み付き古典的不等式の無限次退化や爆発を許容する新しい精密化と変分問題への応用」を中心課題とし、重み付き古典的不等式を介して有機的に関連する次の4つの研究目的を設定しているので、それぞれの研究目的に関する研究実績の概要を記述する。 1.領域の境界で無限次退化や爆発を許容する重み付き Hardy 不等式の確立と精密化の研究:今年度は,高次元の場合に一般の重みに対して片側境界条件の下でHardy不等式を構築した。この場合にも重み関数が無限次の退化や爆発が許されることが証明された。それら結果は論文として纏められ既に発表されている。 2.領域の境界で無限次退化や爆発をする非線形楕円型作用素に関する変分問題の研究:1の結果可能になった研究であり、優臨界の場合を含む変分問題が研究された。その結果は学会等で発表され、論文は査読中である。 3.Caffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の新しい精密化の研究:前年度において,1次元の場合に無限次の退化や爆発を許す場合にCaffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式が成立することが示されたことを受け、それらを高次元の場合に拡張する研究が行われた。その結果、無限次の退化や爆発を許す場合に不等式が成立するための必要十分条件が求められ、その結果が論文として発表された。また、p=1の場合と最良定数の達成可能性の研究が進行中である。 4.加藤の不等式の新しい精密化とその強最大値原理への応用の研究:これまでの研究で「準線形作用素に対して境界まで込めた加藤の不等式」が確立されているので、重み付きの場合への拡張や最大値原理への応用を引き続き研究された。さらに、一般のレリッヒ型の不等式の研究が開始された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主に上記4つの中心的課題に関する研究を遂行しているが、それぞれの課題で進展があった。特に3番目の「Caffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の新しい精密化の研究」においては、2次元以上では無限次退化や爆発が一般には許容出来ないことが証明された。さらに不等式が成立するための簡潔な必要十分条件が求められ、結果が論文として発表された。また, p=1の場合の研究が完成しつつある。また2番目の課題「領域の境界で無限次退化や爆発をする非線形楕円型作用素に関する変分問題の研究」は1番目の課題「領域の境界で無限次退化や爆発を許容する重み付き Hardy 不等式の確立と精密化の研究」の成果により可能になったものであり、今後のさらなる進展が十分期待できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進展しているので、このまま研究を進める予定である。新たに, p=1の場合の不等式の研究と,加藤の不等式とも関連する重み付きレリッヒ型不等式の研究が開始された。 また2番目の課題「領域の境界で無限次退化や爆発をする非線形楕円型作用素に関する変分問題の研究」は1の結果において可能になったものであるので、今後も中心課題の1つである。先行結果は劣臨界かつ有限次の退化(爆発)に関するものだけであったが、昨年度は優臨界の場合に、無限次退化や爆発を許容する場合において多くの成果が得られた。また4番目の課題「加藤の不等式の新しい精密化とその強最大値原理への応用の研究」では、引き続き重み付きの場合への拡張や最大値原理への応用を試みる予定である。昨年度はコロナ禍のため、国内の研究者を中心として研究が進められたが、出来れば今年度から来年度に掛けては海外の研究者と連携を本格的に再開したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続きコロナ禍のため、予定されていた国内出張、海外出張が一部を除いて延期となった。そのため次年度使用額が生じた。次年度の使用計画は、共同研究を国内出張、スウェーデン(Chalmers工科大学)への海外出張を中心に実施する予定である。また、共同研究者や連携研究者間における安定した遠隔会議システム構築のため、大型デスクトップ・コンピュータ、モニター、無停電ポータブル電源などの関連設備の整備を引き続き予定している。
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