1930年代のWagnerの結果を皮切りに,グラフの局所変形に関する研究は様々な方向性をもち発展を遂げてきた.一方,グラフの生成定理は,四色定理の証明に代表されるように,命題を帰納法で証明する際の強力なツールであるがそれ自身も独立した研究テーマである.我々は,上記の2つの研究テーマ及び,それらの境界に位置する問題に対していくらかの結果を得ることができた.特に,一般の閉曲面上の多面体的四角形分割に対して,既約なグラフを有限個にするための縮小操作を8個に特定することに成功した.また,任意の2つの多面体的四角形分割が,cubical flipと呼ばれる変形で互いに移り合うことを証明した.
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