研究課題/領域番号 |
20K03742
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
間野 修平 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (20372948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サンプリング / アルゴリズム / 離散確率構造 / 計算代数 / データ解析 |
研究実績の概要 |
データ解析のあらゆる分野においてサンプリングのアルゴリズムは必須である。近似的なサンプリングが使われることが多いので、近似ではないサンプリングを敢えてダイレクトサンプリングと呼ぶ。代表者はGelfandら定義したA超幾何系が定める離散確率分布族について計算代数を用いたダイレクトサンプリングのアルゴリズムを考案した。本研究は、付随する計算の効率化を図り、より一般的な代数的従属性をもつ離散確率構造のサンプリングに展開することを目的としている。 昨年度の研究実績として、アルゴリズムの効率化(交付申請書研究方法1)について3点の成果を得た。1点目は、行列Aが定めるA超幾何多項式たちに半順序を入れて束を定義し、束に沿った計算を定式化し、計算複雑性を評価したことである。この束はマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)における状態推移を定めるマルコフ基底の類似で、MCMCにおける推移確率はA超幾何多項式の台の単項式たちの比に帰着するが、上記のアルゴリズムにおける推移確率はA超幾何多項式の比に帰着する。2点目は、アルゴリズムの性質を超幾何函数の観点から理解したことである。分解可能グラフィカルモデルとよばれる三角化された無向グラフが定める分布族において条件付き独立が成立する場合についてはグラフの分解に着目することで規格化定数が陽に求まる(Sundberg 1975)。この結果を用いると推移確率の計算が不要になるが、これを超幾何函数の観点から理解した。すなわち、Sundebergの結果はガウスの超幾何函数における超幾何定理の一般化とみなせるが、A超幾何積分を通して示すことができ、グラフの分解が積分順序を与えることが分かった。3点目は良い性質を持たない分布族についてもある程度接近できる手応えを得たことで、例として一変数の古典超幾何函数に帰着させられればPaff系を得られることが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発表という意味ではオンラインの国際会議での発表が一件にとどまるが、研究を進めること自体にはほぼ支障はなく、一本目の論文を執筆中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の予定通りに進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
大きな残額が生じたのは、新型コロナウィルス感染拡大の影響で出張を行わなかったことと、直接には関係しないけれども、一部の物品を購入できなかったことが理由である。平常に戻り次第使用したいと考えている。
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