Sr2RuO4の超伝導対称性を確定するために①偏極中性子小角散乱法を用いてスピン帯磁率の温度依存性の測定、および、②非偏極中性子小角散乱法による磁束格子散乱の磁気形状因子へのスピン偏極したコアからの寄与の有無について検証実験を試みた。 結果的に①については、用いた装置の測定精度内で磁気散乱が観測にかからず、また、②に関しては、目的とする成分の寄与の存在が確認されなかった。②の結果については、Sr2RuO4の超伝導対称性がスピントリプレットであることと矛盾しない結果となっているが、確定的な結論を導くものではないため、今後、①について、より精度の高い実験を実行するための方策を検討することになった。
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