量子液晶状態が期待されるS=1スピンダイマー化合物Cs3V2Cl9の磁気的性質を実験的に明らかにすることを目的として良質な単結晶を合成し、磁化率、磁化、133Cs-NMR、μSR等の測定を行った。また、Cs3V2Cl9にわずかな非磁性不純物をドープした試料を作成し、不純物ドーピングが磁気秩序特性に与える影響を調べた。Cs3V2Cl9の磁性はこれまで考えられてきたような孤立ダイマーモデルでは説明できず、新たなモデルスキームが必要であること、高温域での相転移は従来型の磁気秩序では説明が難しいことを明らかにした。
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