結晶内部の電子状態の対称性により保護された結晶端低次元電子状態を持つトポロジカル絶縁体のなかでも、電子相関の影響が強いトポロジカル近藤絶縁体においては、三角格子系のエネルギー固有値の複素数化などの非自明な現象の発現が予測されていた。 本研究ではトポロジカル近藤絶縁体であるサマリウム六硼化物の表面清浄化技術を様々な単結晶低指数面に適用し、これまで得られていなかった清浄表面試料を得た。表面三角格子においては表面ブリルアンゾーンの三重縮退点におけるトポロジカル電子状態の温度変化を追跡した。また、微傾斜研磨結晶に同手法を適用し、結晶内部とは異なる対称性を有するトポロジカル表面電子状態を発見した。
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