研究課題
基盤研究(C)
トポロジカル超伝導体CuxBi2Se3の超伝導特性を解明する目的で試料生成及び物性測定を行った。高品質の単結晶試料の育成に成功し、物性測定を行うことができた。測定の結果、トポロジカル超伝導体を特徴付けるスピン三重項超伝導状態についての新たな知見を得ることができた。CuxBi2Se3においてはスピン三重項超伝導状態が特定の方向に固定されるピン止めが起きるが、その物性は不明であった。本研究においてスピン三重項超伝導のピン止めが磁場によって制御できることを世界で初めて発見した。
超伝導
本研究では基礎科学的興味及び応用上の有用性から注目を集めているスピン三重項超伝導の物性の一端を明らかにすることができた。スピン三重項超伝導は実例の少なさから研究はほとんど進んでいなかった。また、他に研究されているスピン三重項超伝導とは異なり本研究対象のCuxBi2Se3には強磁性的な電子相関が存在しない。本研究対象はそれらとは異なる起源を持つと予測されるが、その物性を明らかにすることができた本研究はスピン三重項超伝導研究を前進させることができたと言える。