研究課題/領域番号 |
20K04026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶺重 慎 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (70229780)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ブラックホール / 偏波 / 電波天文学 / 輻射流体力学 / 一般相対論 / 活動銀河核 / スペクトル形成 / 磁場 |
研究成果の概要 |
ブラックホールからのジェット・アウトフローの駆動機構や噴出流構造の解明、周囲へのインパクトの定量化に取り組み、以下の結果を得た。 一般相対論的シミュレーションデータやモデルを元に相対論的偏光輻射輸送シミュレーション計算を実行し、ブラックホール近傍領域の電波強度マップおよび直線・円偏波画像をパラメータ毎に作成した。観測から磁場を制限する手法を開発し、将来の観測により磁場駆動説の妥当性を検証できる見通しを示した。 超臨界降着流・アウトフローの輻射流体シミュレーションを実行し、輻射光度および運動論的光度が質量降着率の関数として統一的に表されることを見出し、周囲へのインパクトを定量化した。
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自由記述の分野 |
宇宙物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラックホールジェットの駆動機構は長年の謎である。磁場駆動説が有力だが、その直接的証拠はない。将来のEHT(事象の地平面望遠鏡)偏波観測から磁場駆動説の妥当性を議論するには、どのような直線偏光や円偏光の画像が得られるのか、明らかにすることがとても大事であり、今回の研究により、その糸口がつかめたと思う。また巨大ブラックホールから周囲へのインパクトの定量化も重要な課題であるが、10桁近いスケールの差をうめる必要がある難問である。その議論に一石を投じたのではないかと思う。 ブラックホールという存在は一般によく知られており、注目度も高い。今回の研究成果は一般向け講演会や書物を通じて共有していきたい。
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