都市部において高精度な3次元S波速度構造を推定することは、地震時の揺れやすさを評価したり、液状化のポテンシャルを評価したりする上で重要である。微動探査は人工震源を必要しないため、都市部においても有効なS波速度構造の推定手法であるが、都市部では地震計の設置場所が限定的かつ複雑な微動源の分布により、探査結果の解像度が制約されてしまう可能性がある。そこで本研究では、柔軟な地震計配置で取得した微動データから、複雑な微動のエネルギー分布を考慮しながら不均質な速度構造を推定できるトモグラフィ手法を開発した。開発した手法を福岡市の都市部で取得した微動データに適用することで、その有効性を示した。
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