ムチンは生体内で潤滑作用を示すことから,床ずれの抑制・予防に対し有用な物質の一つである。本研究では,ムチン懸濁液の及ぼす介護服-人工皮膚間の摩擦特性について調査した。その結果,ムチン懸濁液の摩擦低減に寄与する濃度範囲が300~400 [g/L]であること,ムチン懸濁液の濃度変化による静/動摩擦係数の変化は,ムチンの凝集性が関与していることが示唆された。更に,繰り返し洗濯を実施しても効果を示すことが判明した。ムチン懸濁液に抗菌性は無かったものの、抗菌性物質(ホウ酸)を添加しても摩擦低減効果は変化しなかったことが判明した。
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