狭い流路を流れる懸濁液のレオロジーを考察する際には,アインシュタインの粘度式が示すような粒子濃度のみならず,懸濁粒子の半径方向位置の影響を十分に加味する必要がある.本研究では,圧力駆動に伴う懸濁液流れ解析を行い,粒子密度分布の時間変動を調べた結果,微視的な懸濁粒子が流下するに伴い巨視的な速度プロファイルが変化すること,また,これにより,懸濁粒子の力学的平衡位置と懸濁液の溶媒層厚さが変化することが分かった.このように,微視的な懸濁粒子の挙動が,巨視的な懸濁液レオロジーを変化させるメカニズムの重要因子の一つを明らかにした.
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