研究課題
基盤研究(C)
希少金属の代わりに安価な酸化チタン系材料の熱励起ラジカル生成機能を用いてエンジン排気ガス中の有害成分を酸化・分解する技術の創成を目指し,未だ明らかになっていない熱励起触媒能の発現メカニズムの解明と実用化に向けた最適条件の探索を行った.その結果,熱励起触媒能は光触媒能とは違った発現メカニズムであること,実際にディーゼルエンジン排ガスを対象とした実験で一酸化炭素,未然炭化水素成分を酸化・分解できることを明らかにした.
燃焼工学
現在,燃焼排ガスの処理に用いられている貴金属触媒は希少で採取地域が限られ,サプライチェーン問題の影響を受ける.本研究では,安価で産地依存のない酸化チタンが,排ガス自身の持つ排熱により熱励起触媒能を発現し得ることを明らかにした.今後この技術を更に発展させ,酸化チタンが貴金属触媒の代替素材として実用化できれば,排ガス処理コストの低減とエネルギーの有効利用に貢献できる.