研究課題
営業車両を利用した軌道の状態監視において,比較的高精度で軌道状態が監視できる列車動揺検査装置として,センサ及び通信機能を内蔵したスマートフォン (小型情報端末)の活用が有効であると考えられる.小型端末内蔵のGPSの緯度経度を用いた位置情報では,適切な補修位置を指示することが精度的に問題となることが考えられる.そこで,GPSの搬送波のドップラ効果に基づき測定される速度に着目し,この速度情報を移動距離に換算し,軌道補修の位置同定の精度検証及びGPSの速度情報を地点検知データとして活用するための検討を実施した. 年度毎の成果は次のとおりである.2020年度は,コロナウイルス感染拡大の影響により,現地出張ができなかったため,計測が行えなかった.また,スマートフォンを用 いた列車接近警報システムについても,現地での試験を実施ができなかったため,信号処理方法等の机上で検討できるものについて検討を実施した.2021年度に実施した実験結果からから,これまで使用していた汎用小型端末BL02に対して,アンドロイド型スマートホン(Galaxy)を使用した場合は,マルチパスの影響を受けにくく,位置同定精度 が大きく向上することがわかった.そのため,2022年度からはアンドロイド型スマートフォンを用いた計測を実施することにした.また,計測した3軸振動加速度および各軸周りの角速度を利用した軌道状態診断を実施した. スマートフォンを用いた列車接近警報システムの開発については,プロトタイプのシステム開発を完了し,山形鉄道において実証実験を行った. 2023年度は,計測した上下,左右振動加速度およびロール角速度を利用した軌道状態診断を実施した.さらに,計測したこれらのデータに基づいて軌道状態の診断を実施し,軌道異常を検出する方法について検討した.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Mechanical Engineering Journal
巻: 10-3 ページ: 1-15
10.1299/mej.22-00239
New Research on Railway Engineering and Transport [Working Title], InTech
巻: 0 ページ: 1-18
10.5772/intechopen.111703