研究課題
基盤研究(C)
太陽光・風力発電が主体となった将来の電力システムでは、出力を制御できる電源の減少に伴い需要と供給を一致させる周波数制御の能力が低下するため、それを補う負荷制御が重要になる。本研究の目的はこの負荷制御の効果を高めるため動的量子化器を応用した自律分散型負荷制御の有効性を明らかにすることである。計算機シミュレーションにより、動的量子化器の特性を持った負荷制御の有効性と課題を明らかにした。関連して、負荷制御に利用可能な電気機器の潜在量をアンケート調査により推定を試みた。
電力系統工学
電力システムにおける負荷制御は、需要家所有の空調機などの電気機器を対象に、その消費電力を離散的に変更する。そのため、消費電力の変更の仕方によっては電力システムに対するじょう乱となり、逆効果となる。この逆効果を発生させず、周波数変動の抑制効果を向上させ得る方法として、動的量子化器の制御理論の応用可能性を示した点が本研究成果の学術的意義である。また需要家を対象としたアンケート調査により負荷制御に利用可能な電気機器の潜在量を推定した点は、今後の電力システムの安定運用に役立ち、社会的意義がある。