研究成果の学術的意義は強誘電高分子を数百nmスケールで観た時に、その相転移は粒子毎に生じていたことにある.巨視的に観た時の相転移温度に幅があることは以前からわかっていたがその原因の解明に一歩近づいた.また強誘電相から常誘電相に転移した温度においては粒子固有の分極域を持っているが、隣接する粒子とは反対の位相を持っているため、巨視的に観ると相殺されて強誘電性が消失していることが観測できた. 社会的意義は本膜をメモリとして活用するための記憶密度,温度耐性等の指標を提供できたことである.未来のIoT社会にフレキシブルなデバイスが持つ膨大なデータを支える次世代のメモリとして活用することにつながる.
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