有機質土や火山灰質粘性土は強度レベルが低いため,土構造体としての利用は厳しいが,物質吸着能に着目することで災害廃棄物などの覆土層,吸着層として利用できれば発生土の有効利用に寄与できると考えた。フライアッシュは石炭火力発電で発生する産業廃棄物であり,有害重金属類を含有するため処分費が高い。そこで,フライアッシュを対象に有機質土や火山灰質粘性土による重金属類不溶化が可能であれば資源の有効活用に寄与できると考えた。しかし,これらの材料を混合することによる相互効果が重金属類の溶出に悪影響を及ぼすことが示唆され,今後のさらなる研究が必要であることが明らかになった。
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