本申請研究では,下水試料からの新規および既知のヒトウイルスを網羅的に検出するための手法における改善点を提案するとともに、下水から検出された未知遺伝子配列やウイルスの感染性胃腸炎流行指標としての可能性を示した。今後ますます進むであろう社会の国際化や気候変動により,病原微生物の生態が変化し,新興ウイルスあるいは,これまで我が国では感染報告の無いウイルスによる新たな感染症の脅威が高まると考えられる。人間社会におけるウイルスの多様性や感染症の発生程度を把握することは,感染症対策を講じる上で不可欠である。本研究成果は、そのための新たな知見を提供した。
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