動的光散乱法は比較的短時間で粒子の観察が可能ではあるが,高濃度試料でなければナノ粒子トラッキング解析法と同程度の精度が得られないことが示された。 Caは脂質(ドデカン酸)以外の有機物(腐植物質,糖,タンパク質)と粘土鉱物(カオリナイト)に対し,架橋作用によってこれらの凝集体を形成させることが示された。低イオン強度条件下と高Ca濃度条件下の双方において,腐植物質がFe(III)の凝集体を小さくする効果が示された。高イオン強度と高Ca濃度のいずれも,Fe(III)の凝集を促進する効果は限定的であった。天然の海水で生じるFe(III)の大規模凝集には粘土鉱物が決定的要因になっている可能性が示唆された。
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