本研究では,EVシャフト等の竪穴空間を煙突と見立て,煙の浮力を利用したスモークタワーをEVシャフトに適用し,排気・給気ファンに頼らず,長時間にわたる火災に対応すべく,効率の良い排煙手法の確立を目的としている。具体には,シャフトおよび接続する火災室の縮小模型を用いてシャフト頂部からの排煙能力を定量化,さらに排煙の効率化に向け,シャフトから他階への新たな漏煙防止方法として電界による煙制御の実用可能性についても基礎的な実験的検討を行ったものである。模型を用いた実験,さらには理論的考察と明解な論述により,EVシャフトを利用した排煙効果に関する工学的に有益な知見を提示することができた。
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