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2022 年度 実施状況報告書

空き家の要因別の負の影響及び空き家集積による地域価値下落効果の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04847
研究機関政策研究大学院大学

研究代表者

下村 郁夫  政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (00206244)

研究分担者 浅見 泰司  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10192949) [辞退]
福井 秀夫  政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60251633)
中川 雅之  日本大学, 経済学部, 教授 (70324853)
森岡 拓郎  長崎県立大学, 地域創造学部, 講師 (80725507)
吉田 修平  公益社団法人都市住宅学会(都市住宅研究センター), 都市住宅研究センター, 研究員 (00727852)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード空き家問題 / 空き家対策 / 空き家対策特別措置法 / 非居住住宅利活用促進税
研究実績の概要

2022年度は、最近の空き家問題の状況を把握し、また空き家対策の事例を確認するために、空き家問題に関する文献とマス・メディアの報道などの調査を継続して行ったほか、空き家問題を担当する地方公共団体や空き家の活用に従事するその関連団体を対象に電話による聞き取り調査と訪問調査を行い、それぞれの地域における空き家問題の状況と空き家対策の現況を把握した。その結果、活用可能な空き家も相当数はあるものの、不在所有者の意向によって行政的な支援の成否が左右されることが明らかになった。
一方、国レベルでも、地方レベルでも、空き家問題に対する新たな政策的対応が準備されているので、従来の空き家対策に対する批判も踏まえながら、これらの新たな政策的対応の目的と効果について検討した。その1つは、空き家対策の強化を目的に、空き家の所有者の責務強化、空き家の利用促進に向けた建築規制の緩和、空き家対策の対象とする空き家の拡大、緊急代執行制度などを盛り込んだ「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空家等対策特別措置法)の改正案である。もう1つは京都市における非居住住宅利活用促進税の導入であり、これは京都市内中心部に空き家がある一方で中心部の人口減が進んでいることを背景に、空き家の利用を促進して中心部における定住人口を増加させることを目的に、空き家に特化した税を創設するものである。
この検討において、1つには空き家問題が広くは定着物の外部不経済の問題であることから、空き家問題を大きな社会経済的枠組みの中に位置づけて、他の定着物の外部不経済に共通する問題と空き家に特有の問題に区分する必要があることが明らかになった。もう1つには、空き家対策を人口増や経済の活況化などの地域振興と結びつけることの適否、また、空き家対策をこれらの目的に利用する方策とその限界を検討する必要が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

想定していた現地調査は、コロナの影響によって実施が不可能であった。このために進捗が遅れているが、それに代わる詳細な聞き取り調査と面接調査、新たな政策的対応の社会経済的効果の分析、外部不経済問題としてとらえた空き家問題の理論的検討を進めている。

今後の研究の推進方策

今後は、空き家に関連する文献の収集と分析、実務家への聞き取り調査・面接調査を行うとともに、予定されている空き家対策特別措置法の改正と京都市における非居住住宅利活用促進税の導入の効果について、さらに理論的検討を深める。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は、コロナの影響によって現地調査を限定的に行うにとどまった。このために、予定していた年度内支出を行うことができなかったものである。2023年度は、コロナの感染状況を配慮しつつ、さらに多くの事例を収集すべく、いくつかの地方において現地調査を行う予定である。また、外部不経済一般の問題に照らして空き家問題が意味するものの理論的研究を深める。

  • 研究成果

    (28件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 東京圏の空き家発生メカニズムと必要な取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      市政

      巻: 72号 ページ: 28-30

  • [雑誌論文] 行政処分の理由とその処分を争う原告適格との関係及び原告適格を基礎付ける処分要件と自己の法律上の利益に関係のない違法主張制限との関係(一)2023

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 99巻1号 ページ: 75‐94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分の理由とその処分を争う原告適格との関係及び原告適格を基礎付ける処分要件と自己の法律上の利益に関係のない違法主張制限との関係(二・完)2023

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 99巻2号 ページ: 25‐47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] コロナウィルス対策の法的実効性の欠落2023

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      日本不動産学会誌

      巻: 35巻4号 ページ: 82-91

  • [雑誌論文] 管理不全土地・建物管理人2023

    • 著者名/発表者名
      吉田修平
    • 雑誌名

      週刊エコノミスト

      巻: 3.7号 ページ: 28‐29

  • [雑誌論文] パンデミックが東京―極集中に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 31巻1号 ページ: 4-12

  • [雑誌論文] 意思決定システムがもたらす公共施設集約の困難性2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      月刊ガバナンス

      巻: 259号 ページ: 20-22

  • [雑誌論文] 日本が抱える課題とスマートシティ2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      区画整理

      巻: 65号 ページ: 6-11

  • [雑誌論文] 不動産とSDGs:目標間のトレードオフ2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      日本不動産学会誌

      巻: 141号 ページ: 78‐82

  • [雑誌論文] 公的不動産の利活用と契約制度2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 33巻 ページ: 66-71

  • [雑誌論文] まちづくりにおけるSDGsと地方創生の両立について2022

    • 著者名/発表者名
      中川雅之
    • 雑誌名

      MINTO

      巻: 49巻 ページ: 5-9

  • [雑誌論文] 「全国市区町村長の政策意識とリーダーシップのあり方」に関するアンケート調査2022

    • 著者名/発表者名
      大久保敏弘、辻琢也、中川雅之
    • 雑誌名

      NIRA総合研究開発機構

      巻: 2022 ページ: 1‐57

  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(一)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻4号 ページ: 33-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(二)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻5号 ページ: .21‐37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(三)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻6号 ページ: 42‐61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(四)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻7号 ページ: 24‐41

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(五)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻8号 ページ: 49‐66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(六)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻9号 ページ: 48‐66

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 公水使用権の性質2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      行政判例百選Ⅰ[第8版 ]

      巻: 260号 ページ: 30‐31

  • [雑誌論文] 行政処分は誰がどの理由で争えるのか(七・完)‐原告適格・「自己の法律上の利益」に関係のない違法主張制限解釈の混迷と辺野古公有水面埋立承認2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 98巻10号 ページ: 26-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 所在不明の共有者がいても財産の処分促す新制度2022

    • 著者名/発表者名
      吉田修平
    • 雑誌名

      週刊エコノミスト

      巻: 5.24号 ページ: 31-33

  • [学会発表] デザインの将来価値をどう測るか2022

    • 著者名/発表者名
      井出多加子、岩崎政明、仙田満、福井秀夫、矢田努、渡辺景己
    • 学会等名
      資産評価政策学会
  • [学会発表] デザイン・知的創造物発注の法的枠組み2022

    • 著者名/発表者名
      福井秀夫
    • 学会等名
      知的生産者の公共調達に関する法整備連絡協議会
  • [学会発表] 騒音・大気水質汚染・景観・圧迫感・日照阻害ほか「環境」の行政的統制と司法的統制は機能しているか2022

    • 著者名/発表者名
      赤嶺朝子、安念潤司、石川徹、小島延夫、八田達夫、福井秀夫、前森智香子
    • 学会等名
      都市住宅学会
  • [学会発表] 都市再生に余剰容積率移転はどう貢献できるか2022

    • 著者名/発表者名
      阿部雪子、大貫裕之、後藤暢子、中城康彦、福井秀夫
    • 学会等名
      日本不動産学会
  • [学会発表] 相続実務者を対象とした相続に関する意識・実態調査2022

    • 著者名/発表者名
      吉田修平
    • 学会等名
      日本相続学会
  • [図書] 行政法学の変革と希望2023

    • 著者名/発表者名
      阿部 泰隆編著、福井秀夫、中川丈久、北村喜宣、板垣勝彦、吉岡正和、角松生史/ソ・ヌリ、田中謙、鈴木秀洋、比山節男
    • 総ページ数
      654
    • 出版者
      信山社出版
    • ISBN
      978-4-7972-3680-4
  • [図書] 所有者不明土地の法律実務―民法・不動産登記法等の大改正による土地所有法制の実務対応―2022

    • 著者名/発表者名
      吉田修平
    • 総ページ数
      188
    • 出版者
      株式会社プログレス

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公開日: 2023-12-25  

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