研究課題
基盤研究(C)
取扱が比較的容易なため、比較的低コストの小型衛星とも相性のいいHAN系グリーンプロペラントについて、その発熱反応をパルス放電で誘起して推力に変換するロケットを提案した。エレクトロスプレーインジェクタの流量を抑える改修を施して、放電エネルギ8 Jの放電反応機構内で噴射した結果、同軸型の反応機構においてグリーンプロペラントの発熱反応とみられるインパルス向上が確認できた。さらに電磁石とバネ機構を用いた噴霧インジェクタを設計、製作したが、真空中での安定作動を達成できず、その改善案を検証した。
宇宙工学
本研究は、人工衛星の軌道を調整するロケットにおいて、安全性が高く性能も良い推進剤を着火するために放電を活用する研究である。真空中での推進剤噴射精度を上げて、放電による推力発生を今まで以上に正確に評価できたり、最終的には安定した噴射ができなかったが噴射装置を試作して真空中作動試験ができたことから、安全、高信頼性、高性能のロケットの設計指針が得られた。この成果は特に、現在利用が増え続けている質量500 kg以下の小型衛星の高性能化に貢献できる。