氷の超音波応答を見る先行研究はほとんどなく、特に海氷では計測も困難であってデータがない。そこで、海氷の代わりに海氷構造を模擬した模型氷を用いるという点は例がなく、そのデータを取得したことは意義が大きい。製氷を伴う実験では、製氷方法及び環境が氷質に大きく影響する。実験のために氷質を制御可能な環境を構築したことは、今後の類似研究にも応用でき有用である。得られた氷質と音圧データを照らし合わせると、実氷について最低限の計測をすれば非破壊で強度を推定することが可能となる。実氷データは今まで計測が困難で蓄積が極端に少ないが、非破壊手法が実現すればデータ拡充と計測の安全性に寄与するところ大である。
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