活火山の地熱地帯で放出される噴気の化学組成を自動的に測定する装置の開発を行った。装置は箱根山大涌谷地熱地帯の斜面に設置された。装置で計測されたCO2濃度とH2S濃度の相関からCO2/H2S比を推定することに成功した。装置の開発と並行し、箱根山と草津白根山で、噴気を直接採取・分析する観測を繰り返し火山性地震発生頻度との相関を調べた。箱根山の噴気では2021年8月にHe/CH4比の上昇を検知し、火山活動活発化の兆しを捉えることに成功した。草津白根山の噴気では2020年頃からHe/CO2比の低下傾向が得られた。これは2020年から始まった火山活動の鎮静化と調和している。
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