繊維を含まない熱可塑性樹脂の3Dプリントに関しては,成形温度やノズルスピードなどの条件を変えて強度を評価する研究は数多く実施されている.これらの研究では,溶融フィラメントの密着性に着目した実験的研究が主眼である.複合材3Dプリントシミュレーションに関しては,市販ソフトが有限要素法で残留応力解析を実施している.このソフトでは樹脂溶融は解析せず,ボイド率解析は実験値からの推定になっている. 樹脂溶融を含めた3Dプリント複合材のシミュレーションは国内外で行われていない.繊維の体積含有率を実際と同じにする解析は世界初の試みであり,複合材3Dプリントのボイド削減に大きく寄与する.
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