歯科用インプラントやカテーテル等には、生体親和性と抗感染性が要求され、この相反機能を同時に向上させるのは極めて困難である。酸化チタンをナノシート化することで、上記相反機能の制御だけでなく、多様な素材と形状を有する部材表面への被覆が期待できる。ナノシートを室温下でTiインプラント表面に被覆し、医用材料としての可能性を探索した。その結果、酸化チタンナノシートを医用部材に被覆することに成功し、良好な細胞増殖性を示すことを確認した。一方、抗菌性に関しては、まず電子スピン共鳴法の結果から、ヒドロキシラジカルの確認ができなかったこと、大腸菌を用いた抗菌性試験においても抗菌性の確認はできなかった。
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