Al-Mg-Si系合金へのSr添加による鋳造割れの抑止効果が,従来のラボスケールの小規模鋳造(概ね500g未満)のみならず,今回の研究により,初めて実工業レベルの大きな実部品形状(概ね1~2kg以上の機関系部品や箱型部品)においても有効であることを実証できた。このことは地球環境保全の一助である輸送車両の本系アルミニウム部材での軽量化が従来以上に適用できることをも意味しており,このことから本研究の成果は社会的意義を有すると言えよう。 一方で,金属組織中の共晶相がSr添加により微細化されることを,大きな実部品レベルで初めて冶金学的に明らかに出来た為,学術的意義もあったと判断される。
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