レーザ誘起熱応力を利用して水平き裂を誘導し,脆性材料をスライス加工できる可能性について,加工実験と応力拡大係数解析から検証を行った.その結果,次のことが明らかになった.(1)矩形熱源を用いることで,ガラス表面に破壊痕がなくガラス内部のみに水平き裂が誘導される現象を確認した.(2)矩形熱源による端面加工実験では,カールしたガラス片をともなって長く安定した加工が成立したが,加工深さが安定せず溝加工モデルと等価なモデルではない.(3)矩形熱源による溝加工において,水平き裂が発生した深さにおいてき裂開口領域を求めたところ,これまでの開口部と同様の特徴を示すことが明らかとなった.
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