研究課題
基盤研究(C)
本研究では、面心立方格子(FCC)型であり、積層欠陥エネルギーの異なる金属材料(Al、Ag、Cu、Cu-30Zn)を対象に高温での強加工プロセスの一種である摩擦攪拌接合の微細化機構を動的再結晶および焼鈍双晶の観点から調査し、組織制御手法の確立を目指した。再結晶温度に対する接合温度の比によって、微細化機構や結晶粒子径を制御できることが分かり、組織形成を統一的に整理できることが明らかとなった。
溶接・接合
一般に構造物全体の特性は、主に最弱部である溶接部によって決まるため、本研究で対象とする摩擦攪拌接合は、溶接部の結晶粒微細化によって機械的特性の向上が期待できる有効な接合法である。得られた成果は、積層欠陥エネルギーが小から中程度の面心立方型の金属全般の組織制御指針の提案に繋がるため、広範な応用が期待できる。摩擦攪拌接合を利用した長寿命な構造体を作製するための接合技術の確立として大きな意義がある。