単分子接合は、単分子素子としての応用や有機電子デバイスにおける金属―分子界面のモデル系、そして金属と単分子が複合化した新たな物質系として注目を集めている。単分子接合では界面構造や分子配座が可逆的に変化し、電気輸送特性、熱電特性などの物性が可変的な力学応答性を示す。本研究では、機械的に分子配向や分子-金属間の界面構造を変化させることで、単分子接合の熱電能について、機械的変調性の解明を行った。機械的外力を加えることにより、単分子接合の熱電能が増減することを確認した。理論的シミュレーションにより機械的に誘起される界面構造と分子軌道エネルギーの変化に応じて、熱電能が変調することを見出した。
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