本研究の意義は、銅/酸化セリウムクラスターにおける銅の酸化抑制の発見・確認により、白金族などを用いない新しい触媒の可能性を示したことにある。このためにクラスター化した酸化セリウムとの複合化が重要なポイントであり、銅以外の元素との複合化により興味深い系が発見される可能性がある。一方で、こうした複合系に対しては元素選択的な測定法であるX線吸収分光の重要性を示したという点でも意義がある。すなわち本研究は、金属酸化物複合化クラスターという物質系の可能性、X線吸収分光法という測定法の可能性の2つを示したと言える。
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