研究課題
基盤研究(C)
室温、高湿度(80%RH)、低圧(4気圧)のマイルドな環境下で、新たな燃料資源として注目されるメタンを、分子性ナノ多孔質結晶の水ナノチューブを内包するナノ空間に、吸蔵させることに成功した。メタンの吸蔵過程はナノ空間からの脱水をともない、準安定状態を経てから、最終的な安定状態に至ることが分かった。分子動力学シミュレーションから、各状態の水分子とメタン分子のナノ空間における安定な配置、及びメタン吸蔵量が判明した。
固体物理学
マイクロ波測定から取得したプロトン伝導率と赤外吸光度スペクトルの組み合わせは、ナノ空間における水和状態と水分子数を決定する上で、有力な手段であることを示した。また、分子性ナノ多孔質結晶では初めて分子動力学計算に成功し、メタンの水和構造と吸蔵量を決定した。耐水性が高い分子性ナノ多孔質結晶は、マイルドな環境下でも、水蒸気との混合ガスから選択的にメタン吸蔵が行え、かつ、MOFに匹敵する高密度なメタン吸蔵が可能であることを明らかにした。