本研究では、IoT技術を支えるセンサーの独立電源への応用を目指して、スピンゼーベック効果(SSE)の研究を行った。SSEはフレキシブル化が容易であるというメリットがあるもののの、発電量の点に問題がある。SSEの高効率化を目指して研究を行った。 まず、フェリ磁性体TbCoを用いて、スピン流電流変換効率の組成依存性を調べ、Co薄膜に比べて3倍大きくなる組成を見出した。次に磁場印加方向を90度ずらすことで、磁化依存スピンホール効果の研究を行った。伝導電子のスピン方向が、局在スピンの向きに応じて回転する現象であり、先行研究に比べて4倍程度大きく制御できることが明らかになった。
|