ホウ素原子上に光学活性ビナフチル骨格から構成される置換基を4つ直接導入したボレートを合成し、それを第四級アンモニウム塩の不斉認識剤として用いることで、第四級アンモニウム塩の光学純度をNMR測定により決定する手法を開発した。キラルボレートは2つの基本骨格、光学活性ビナフチル部位と、ホウ素原子とのリンカー部位、から成り立っている。リンカー部位の構造と化学的性質が、各種キラルボレートを合成するために最も重要な要素であることがわかった。光学活性ビナフチル部位の置換基修飾が可能であり、かつ収率良くキラルボレートが得られるリンカーを見出した。その知見から各種キラルボレートを合成することに成功した。
|