本研究の中心の研究課題であった可視光で働く新規なレドックス有機光触媒の開発に成功した。申請者の特徴的な反応系である2分子光レドックス触媒系において、電子ドナー分子としてジベンゾ[g.p]クリセンを、電子アクセプター分子として、9-シアノ-10-メトキシカルボニルアントラセンを用いて、青色LEDにより405 nmの可視光照射することで、光脱炭酸反応や光脱ボロン化反応が進行することを明らかにした。また、これらの新規なレドックス光触媒を用いて、通常の条件下では困難な安息香酸やグルタミン酸・アスパラギン酸側鎖の光脱炭酸反応にも成功し、ユニークな生成物を合成することができた。
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