フラーレン誘導体は、1)200度付近の高温条件でも安定、2)メタノールへの溶解性の低さを利用することで反応混合液から他の有機化合物とフラーレン誘導体を容易分離可能、3)人体にほとんど害を及ぼさないという特徴を有し、ものづくり分野における触媒としての活用が期待されているが、有機化学反応の触媒として利用された例はほとんどない。以上のことから、本研究における「フラーレン誘導体を電子輸送担体光触媒として利用する高効率・低エネルギー消費型反応システムの開発」によって得られた成果は、現在の医薬・農薬およびファインケミカル分野における、高エネルギー消費型物質合成に革新をもたらす研究として位置づけられる。
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