研究課題
基盤研究(C)
アシルシランの化学に基づき反応設計した全く新しいタイプの重合反応の開拓に挑戦した。鍵となるのはシリル基のBrook転位反応であり、α,β-不飽和アシルシランのアニオン重合とラジカル重合の過程で転移反応によってシリルエノールエーテル骨格がポリマー主鎖中に生成する。様々な構造のモノマーを検討したところ、メタクロイルシランのアニオン重合において目的の転位反応が15-30%程度起こっていることが分かった。
高分子合成
ケイ素は炭素と同族体ではあるが、有機ケイ素化合物は独特の性質や反応性を示すことから、有機化学おいて一つの地位を築いている。本申請研究では、アシルシランの化学に注目し、これまで知られていない高分子合成の新たな方法論を提示することに成功した。しかしながら、時間の関係で重合制御の達成と高分子反応の検討は今後の課題として残った。