研究課題
基盤研究(C)
酵素を利用した化学酵素重合法を利用して、セルロース結晶を溶解するイオン液体に類似したzwitterion構造を取り入れたポリペプチドを新規に設計・合成した。得られたzwitterion型ポリペプチドの水溶液は、作用させることでセルロース結晶を効果的に解離することができることが分かった。また、植物培養細胞へ作用させると細胞壁のセルロースネットワークを緩める働きがあることも明らかとなった。
高分子化学
本研究で開発されたzwitterion型ポリペプチドは、不溶不融で成型加工性に乏しいセルロースの結晶を効果的に解離することが可能であり、セルロースの化学構造を改変することなく簡便に加工する技術として産業的に有用性が高い。また、細胞毒性をほとんど示さずに植物細胞壁のセルロースネットワークを緩めることができ、植物細胞への効率的な物質輸送など植物科学分野への応用も期待できる。