希土類発光体は優れた発光性を有するものの,有機分子や遷移金属錯体のような外部刺激によるダイナミックな発光制御は困難であった。本研究では,電気化学反応活性な物質と希土類化合物を種々複合化させ,電気化学反応によって誘起される物質間の電子移動,励起エネルギー移動などの光物理過程を用いることで,これまで困難であった希土類イオン励起状態の可逆的な形成や制御を目指した。その結果,赤色発光を示すEu錯体の発光強度や発光波長の電気化学的な制御を可能とするエレクトロフルオロクロミックデバイスや,Eu錯体からの交流電気化学発光の発現など,励起状態の制御を電気化学的に行えることを見出した。
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