金属酸化物ナノ材料は、その優れた機能性により様々な分野で利用されているが、その作製方法は、対応する金属酸化物をアルカリ水中高温処理する水熱法が一般的である。この従来法は簡便であるが、高温条件を伴うため、生成物の結晶化が促進され肥大化すると共に、熱力学的に安定で反応性に乏しい材料が生成しやすい。これに対して本研究で得られたチタンやニオブのナノ材料は、金属と塩の複合材料を室温でアルカリ処理するだけで作製できるため、従来法とは異なり準安定構造を維持した活性に富む材料の作製が可能であり学術上極めて有用である。また新たな材料の創出は、新たな機能性の発現による社会への貢献が期待され、社会的意義も大きい。
|