負電荷を帯びた粘土粒子のコロイド中で、アニオン性色素が水溶液中とは異なる分光学的性質や光化学反応を示すことを明らかにした。粘土コロイド中でのアニオン性キサンテン色素の吸収スペクトルと発光スペクトルおよび発光強度が、粘土濃度に依存して変化した。色素種、粘土鉱物種による違いも見いだした。その原因として、ともに負電荷をもつ色素分子と粘土粒子との間に、何らかの引力的相互作用が働いていることが示唆された。また、粘土コロイド中でのアニオン性アゾベンゼンの光異性化の反応速度が、水溶液中とは異なることも見いだした。
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