研究課題
基盤研究(C)
ミトコンドリア局在性ペプチドとPEGで被覆した金ナノロッドを合成し、808 nm近赤外光照射下における光熱変換特性を評価し、HeLa細胞への細胞毒性を評価し、ペプチドで被覆された金ナノロッド(AuNR-peptide)と近赤外光照射の組み合わせがガン細胞に効率よくダメージを与えることを見出した。本研究成果は、ガンのフォトサーマル療法技術の発展に寄与すると考える。
生体機能関連化学
細胞内のミトコンドリアは固有のアポトーシス(プログラム細胞死)経路を有し、生体内のエネルギー通貨であるATPを産生するオルガネラである。すなわち、ミトコンドリアのATP産生能を低減することができれば、ABCトランスポーター活性の阻害を通じて抗ガン剤の細胞内滞留性の向上が達成できるのではないかと考える。本研究は、皮膚透過性の高い近赤外光を用いることでガン細胞を死滅させるフォトサーマル療法への応用を目指しており、社会的意義は高いと考える。