持続可能なものづくりに向けて、植物を反応場とした物質生産システムに強い関心が寄せられている。植物内での物質生産の効率化には、細胞のエネルギー生産を担うミトコンドリアへ有用な遺伝子を導入する必要があり、本研究で得られたミトコンドリア移行ペプチドの設計指針と合成手法は、低炭素社会の実現や二酸化炭素の資源化など環境分野への貢献が期待されるものである。また、酵素を利用したポリペプチド合成は水中で反応が進行し、モノマーの保護・脱保護反応も必要ないことから、環境低負荷な合成法と言える。大量合成への展開も可能で、持続可能なものづくりを支える重要な基盤技術としての展開が期待される。
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