中国産「地皮菜」についての解析結果は,新たな多様性を示唆しており,今度,地球規模でイシクラゲの多型を調べていく必要がある。イシクラゲが示す乾燥耐性について長期保存の限界を実験的に検証し,乾燥状態で最長8年間保存したサンプルでも光合成活性を回復する例が示された。この結果は,本生物における光合成活性の寿命を学術的に検証した論文として初めての記載である。イシクラゲを利用して「光合成をする紙」を作製する試みは,芸術作品の素材とすることを想定しているが,さらに研究を進めてストレス環境下で光合成装置を保護するしくみの解明や生物活性を長期に乾燥保存する技術開発へ活かされていくであろうと期待する。
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