研究課題
基盤研究(C)
タンパク質を始めとする生体高分子の構造・機能維持には水溶液中での取り扱い、及びその温度管理が極めて重要である。本研究では温度感受性の高い生体高分子の化学修飾へ適用することを念頭に、ホウ素原子とアミノ酸から構成される5員環状のキレート化合物(ボロキサゾリドン)に着目し、本構造を水溶液中で効率的に形成するための条件をアミノ酸側鎖、及びホウ素原子上の置換基を精査することで見出した。
生物分子化学
ホウ素原子を含む有機化合物はフェニルボロン酸などの一部を除き水溶液中では不安定であり、その多くは水を含まない有機溶媒中での使用に限られていた。本研究では適切な置換基構造を有する分子設計により水溶液中でも利用可能な様々な有機ホウ素化合物を創出し、本構造が生体高分子への化学修飾にも有用であることを明らかにした。今後は本成果を利用して、生命現象の解明や医薬品開発への貢献が期待される。