本研究成果の学術的意義は、遺伝子導入を必要とせず、化合物による神経再生が可能であることにある。これにより、現在のiPS細胞による神経再生研究の課題とされている遺伝子導入によるがん化などの副作用を回避することができ、治療法の開発に向けた可能性が高まる。また、現在までに発見されている神経再生化合物はわずかであり、本研究で発見された化合物は脳神経の修復・再生に応用できる可能性がある。更に、超高齢化社会を迎える我が国において、脳疾患患者の治療法開発に貢献することが、社会的意義も大きいと言える。本研究成果は、神経再生の新たなアプローチを提供し、脳疾患の治療法の開発に大きな貢献をすることが期待される。
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